
島根半島の最西端、海と深い森に抱かれるように鎮座する日御碕神社(ひのみさきじんじゃ)。
伊勢神宮が「日の本の昼を守る」とされるのに対し、日御碕神社は「日の本の夜を守る神社」として、古くから特別な信仰を集めてきました
冒頭の写真は、島根県道29号線沿いにある遠景スポットから撮影したものです。
道路沿いの案内板が目印で、社殿までは約200m。望遠レンズで切り取ると、朱色の社殿群が森と海に溶け込む、日御碕神社らしい風景が広がります。
左側から、下の宮『日沉宮(ひしずみのみや)』の本殿と拝殿、朱色の楼門、そして右端に見えるのが、上の宮『神の宮(かみのみや)』です。
この遠景は、神在月限定で授与される御朱印の背景にも描かれている、日御碕神社を象徴する風景でもあります。
日御碕神社とは|日の本の夜を守る神社
日御碕神社は、島根県出雲市大社町日御碕に鎮座し、夕日が沈む聖地としても知られています。
境内には、趣の異なる二つの社殿があります。
- 下の宮|日沉宮(ひしずみのみや)
- 上の宮|神の宮(かみのみや)
この二社をあわせて日御碕神社と呼び、それぞれ異なる神様が祀られています。
現在の社殿群は江戸時代初期の建立。
朱色を基調とした桃山様式の華やかさが今も色濃く残り、境内にある14棟の建造物と2基の鳥居は、昭和28年(1953年)に国の重要文化財に指定されています。
日御碕神社のご由緒と神話
神話によると、上の宮「神の宮(かみのみや)」のご祭神素戔嗚尊(すさのおのみこと)は、「吾が神魂(みたま)は、この柏葉の止まる所に住まん」と仰り、根の国(黄泉国)から柏の葉を投げました。
その葉が落ちた場所が隠ヶ丘(かくれがおか)であり、この地に御鎮座したと伝えられています。
後に、安寧天皇の時代に現在の場所に移されました。
神社の御神紋の三ツ柏は、この話に由来しているそうです。
一方、天照大御神を祀る下の宮「日沉宮(ひしずみのみや)」は、もともと南西約200m沖に浮かぶ経島(ふみしま)に祀られていましたが、天暦2年(948年)に現在の地へ移されたと伝えられています。
上の宮|神の宮(重要文化財)

ご祭神
素戔嗚尊(すさのおのみこと)
ご利益
厄除開運・災難除け・商売繁盛・家内安全・交通安全・子孫繁栄
神の宮は、日御碕神社の二つの社殿のうち、神話と強い関わりを持つ、上の宮として信仰を集めています。
素戔嗚尊の荒魂(あらみたま)を祀る社として、厄除けや災難除けを願う参拝者も多く訪れます。
下の宮|日沉宮(重要文化財)

朱色の楼門をくぐり、参道正面に鎮座するのが日沉宮です。
ご祭神
天照大御神(あまてらすおおみかみ)
ご利益
幸福・平和・健康・長寿・五穀豊穣・産業発展
伊勢神宮が「日の本の昼を守る」とされるのに対し、日御碕神社は「日の本の夜を守る」神社と伝えられています。
夕日が沈むこの地に天照大御神を祀る日沉宮が鎮座することは、出雲が日沈みの聖地と呼ばれる理由のひとつでもあります。
日御碕神社の境内の見どころ(重要文化財)
ここからは、境内を歩きながら見ておきたい日御碕神社の見どころを紹介します。
東側入り口鳥居

石の鳥居は、播州(兵庫県)産の御影石が使用されていおり、重要文化財に指定されています。
手水舎

参拝前に心身を清める手水舎で、気持ちを整えてから参拝へ。
🌿手水の作法については、別記事に詳しくまとめています。
朱色の楼門

目を引く朱色の楼門を見上げると、蟇股には、動物や植物、龍などの繊細な彫刻が施されています。

楼門内部には木製の狛犬も安置されています。
朱色の廻廊



白い壁に朱色の柱、緑の格子が印象的な廻廊は、日御碕神社を象徴する景観のひとつです。
門客人社(かどまろうどしゃ)

ご祭神 櫛磐窓神・豊磐窓神
門客人社は、楼門を入ってすぐ、参道両脇に向かい合って建つ門番の社です。
日沉宮の妻飾り

日沉宮正面から右へ回り込むと高台があり、本殿を横から見ることができます。
妻部分には、中央に太陽、右に月、左に星の彫刻があります。
太陽・月、星はそれぞれに天照(アマテラス)、月読(ツクヨミ)、素戔嗚(スサノオ)の3姉弟を表しているといわれています。
神紋石舎

神社の神紋「三ツ柏」の由来にもなった柏の葉の化石が祀られています。
稲荷神社

御祭神
- 土祖神(おおつちのみおやのかみ)
- 大己貴命(おおなむちのみこと)
- 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)
御井神社 (みいじんじゃ)

ご祭神
天村雲命(あめのむらくものみこと)
天村雲命は、日本神話に登場する神で、天孫降臨の際に高天原から水種を移したと伝えられる井戸の神様。
荒祭宮

御井神社の左手の石段を上がったところにある小さなお社です。
ご祭神
速荒雄命(はやすさのおのみこと)
十九社摂末社と宝庫

江戸時代末期に境外で祀られていた摂末社の一部を現在地に移してできた神社で、多くの摂末社が祀られています。
蛭児神社(ひるこじんじゃ)

ご祭神
蛭児命(ひるこのみこと)
えびす様として商売繁盛のご利益があるとされています。
韓國神社

ご祭神
須佐之男命・五十猛命(いそたけるのみこと)
西参門

駐車場からすぐの西参門は廻廊と繋がっています。
日御碕神社の御朱印|神在月限定

神在月の御朱印は書置きのみの授与です。
高台から見た日御碕神社の遠景が描かれ、中央に「日御碕神社」の墨書きと朱印、右側に「神在月」、左側に参拝日が記されます。
- 受付場所:日沉宮左手 授与所
- 受付時間:8:30〜16:50
- 初穂料:500円以上志納
境外社と神域|宗像神社と経島
宗像神社(むなかたじんじゃ)

西参門から出て海側へ歩いて行くと、池に浮かぶように建っているのが宗像神社です。
ご祭神
田心姫命(たごりひめのみこと)
田心姫命は、日本神話に登場する海や航海、漁業の守護神で、宗像三女神の一柱とされています。

額の上には、波とウサギの彫刻が施されています。
海側の鳥居

東側入り口の鳥居とともに重要文化財に指定されています。
経島(ふみしま)

経島は日御碕の南西海岸に面した小島です。「経巻」を積み重ねたような形状から、経本を載せた文机のように見えるため、経島と呼ばれるようになったと伝えられています。
かつて経島には、日御碕神社の天照大神を祀る日沈宮(ひしずみのみや)があり、天歴2年(948)に日御碕神社へ移されました。
現在は境外社 経島神社があり、年に一度の神事「神幸祭」が行われます。
経島は島全体が日御碕神社の神域となっているため、神事に携わる神職以外に一般人の上陸は禁止されています。
また、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されています。
島の周囲の海中からは、「海底遺跡」と考えられる遺構が発見されているそうです。
日御碕神社周辺スポット
日御碕神社の参拝とあわせて立ち寄りたい、周辺の見どころを紹介します。
日御碕灯台
🌿日御碕神社から、海沿いの遊歩道を歩いて約10分。
散策がてら立ち寄れる日御碕灯台です。
出雲大社
🌿出雲大社の参拝方法や見どころを詳しくまとめています。
日御碕神社や日御碕灯台、出雲大社を巡るなら、出雲市内での宿泊が便利です。
参拝後は移動を急がず、ゆっくりと旅の余韻を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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日御碕神社のアクセスと基本情報
基本情報
- 名称:日御碕神社
- 所在地:島根県出雲市大社町日御碕455
- 電話:0853-54-5261
- アクセス:
・バス:JR出雲市駅から一畑バス(日御碕・日御碕灯台行き)約60分
・車:出雲ⅠCから約30分 - 駐車場:あり 無料
- 公式HP:https://hinomisaki-jinja.jp/



