
出雲大社を訪れた旅の途中で立ち寄ったのが、神話の舞台として知られる稲佐の浜でした。
静かな波音の中で、出雲の神話が今も息づいているように感じられる場所です。
稲佐の浜(いなさのはま)は、島根県出雲市にある出雲神話ゆかりの砂浜です。出雲大社から西へ約1km、日本海に面して南北およそ10km続く海岸線を持ち、『日本の渚百選』にも選ばれています。
旧暦10月の神在月(かみありづき)には、全国の八百万(やおよろず)の神々をお迎えする「神迎神事」が行われる、出雲を象徴する神聖な場所です。
🌿神在月の行事全体の流れや、稲佐の浜から出雲大社へと続く神事については、神在月ガイド記事で詳しくまとめています。
島根県出雲市・稲佐の浜とは
稲佐の浜は出雲大社の正門から『神迎の道』と呼ばれる神聖な参道を西へ進み、徒歩約10分の場所にあります。
出雲大社の参拝とあわせて立ち寄りやすく、車でもアクセス可能で、無料駐車場も整備されています。
浜の中央には、稲佐の浜の象徴ともいえる大岩「弁天島」があり、その岩上には海の神を祀る小社「沖御前神社(おきごぜんじんじゃ)」が鎮座しています。
国譲り神話ゆかりの地
稲佐の浜は、日本神話に語り継がれる「国譲り神話」の舞台とされる場所です。
国譲り神話とは、出雲大社の御祭神である大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が治めていた国を、天照大御神の御子である邇邇芸命(ににぎのみこと)に譲った経緯を語り伝えている神話です。
この稲佐の浜で、高天原から遣わされた建御雷神(たけみかづちのかみ)が大国主大神と交渉を行ったと伝えられています。現在も浜全体が、強い神話の気配を感じさせる場所となっています。
弁天島と「日が沈む聖地出雲」の夕日

稲佐の浜の見どころのひとつが、弁天島の向こうに沈む夕日です。出雲地方は「日が沈む聖地出雲」とも呼ばれ、特に天気の良い日には、日本海に沈む夕日と弁天島が重なり合う幻想的な風景を望むことができます。
弁天島の岩上に祀られている豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)は、海神(わたつみ)の娘で、竜宮に住むとされる神様です。真の姿は「八尋の大和邇(やひろのおおわに)」とも伝えられています。
ご利益
- 安産
- 子宝
- 家内安全
- 夫婦円満
- 縁結び
夕暮れ時は観光客も多く訪れますが、少し時間をずらすと、静かに浜辺を歩きながら神話の世界に思いを馳せることができます。
稲佐の浜の神迎え神事

稲佐の浜では、神在祭の前夜(旧暦10月10日)に、全国の神々をお迎えする全国の神々をお迎えする神迎神事(かみむかえしんじ)が厳かに執り行われます。
夕刻7時、暗くなった浜辺に御神火が焚かれ、注連縄が張り巡らされた中に、神々の依り代となる神籬(ひもろぎ)が二本立てられます。さらに、御使神である龍蛇神が海に向かって配置され、神事が始まります。
浜での神事はおよそ20〜30分ほど。その後、神籬は絹垣で覆われ、龍蛇神を先導に、高張提灯が並び、奏楽が響く中、稲佐の浜から出雲大社へと「神迎の道」を御神幸します。参拝者もこれに続いて出雲大社へ向かいます。
出雲大社では、神楽殿または拝殿にて神迎祭が行われ、神事の後、八百万の神々は宿所である東西の十九社へと鎮まられます。
稲佐の浜の砂と出雲大社の御砂

稲佐の浜の砂は、出雲大社でいただく「御砂(おすな)」と深い関わりがあります。
出雲大社の素鵞社(そがのやしろ)で御砂をいただくためには、交換用として稲佐の浜の砂を持参する必要があります。
御砂をいただく流れ
- 稲佐の浜で砂を少量いただく
- 出雲大社を参拝
- 素鵞社で稲佐の浜の砂を納める
- 出雲大社の御砂をいただく
そのため、御砂をいただく場合は、出雲大社参拝前に稲佐の浜へ立ち寄るのがおすすめです。
私自身は、参拝後に御砂の存在を知ったため、夕日の沈む稲佐の浜を訪れました。その翌日、あらためて素鵞社を参拝し、御砂をいただきました。時間に余裕があれば、このような流れでも問題ありません。
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出雲大社の御砂は、お守り袋に入れて大切に持ち歩く人も多いようです。
御砂やお清めの塩を入れるのに使いやすい、巾着タイプのお守り袋もあります。
🌿稲佐の浜の砂の持ち帰り方や、御砂の交換方法については、別記事で詳しく解説しています。
稲佐の浜へのアクセス
アクセスマップ
基本情報
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