
沼島を代表する名所であり沼島のシンボルでもある『上立神岩』
奇岩 上立神岩

兵庫県南あわじ市の沼島(ぬしま)の沖にそびえ立つ上立神岩(かみたてがみいわ)は、高さ約30メートルの矛先のような形をした奇岩です。
沼島の観光スポットとして知られている上立神岩ですが、国生み神話の舞台として、古くから信仰の対象とされてきた神聖な場所でもあります。
国生み神話と上立神岩の伝説
伊弉諾命(いざなぎのみこと)・伊弉冉命(いざなみのみこと)ゆかりの地
沼島は、日本の国土創造神話である「国生み神話」の舞台とされています。
伝説によると、イザナギノミコトとイザナミノミコトの二神が天の浮橋から天沼矛(あめのぬぼこ)で、混沌とした地上を「コヲロ、コヲロ」と掻き回し、その際に滴り落ちたものが積もって最初にできた島が「おのころ島」とされています。
この島の候補地は日本各地に多く存在しますが、中でも沼島は「おのころ島」の有力候補地とされています。
縁結びと夫婦円満のパワースポット
上立神岩は、国生み神話においてイザナギノミコトとイザナミノミコトの二神が降り立った場所、あるいは結婚の儀式を行った場所として古くから崇められてきたため、夫婦円満や子宝祈願に訪れる人も多いです。
近年では上立神岩の真中にある「ハート」のマークが有名になり、恋愛成就のパワースポットとしても人気で、特に新婚夫婦やカップルにとって、この岩を一緒に拝むことで永遠の愛を誓う聖地とされています。
上立神岩の見どころ
上立神岩は波間にそそり立つ、勇壮で神聖な雰囲気をまとった奇岩です。透明度の高い海に囲まれ、特に晴れた日には岩肌と青い海のコントラストが美しく映えます。
早朝の時間帯には、朝日に照らされた姿は神々しく、まさに神話の世界を思わせる光景です。
また、上立神岩を含む沼島南岸地域の岸壁や岩礁はウミウの渡来地となっています。例年10月頃から翌3月頃にかけて、北海道や東北地方の太平洋沿岸などから、数百羽に上るウミウが冬鳥として渡来し越冬します。
ウミウのこれほど大規模な集団渡来地は、日本全国でも珍しく、兵庫県指定の天然記念物に指定されています。
上立神岩への行き方
上立神岩へは、沼島港から島の中央を横断する、緩やかな上り坂を25分ほど歩き沼島港と反対側の海岸線に出ます。

スロープと階段になった遊歩道を降りていきます。

階段下にある踊り場のようになったところの左手前方に『上立神岩』を見ることができます。周辺に柵など無いので、落ちないように注意してください。

上立神岩と反対画をの海岸の景色
上立神岩周辺の見どころ
沼島八幡神社
沼島の玄関口近くにある神社で。島の守り神として地元の人々に愛され続けています。階段を上がった高台にあります。
自凝島神社(おのころじまじんじゃ)
沼島八幡神社から西へ10分歩き、さらに山道と階段を10分ほど歩いた山中にある神社です。イザナギノミコトとイザナミノミコトの二神が祀られています。
おのころクルーズ
島の周囲10kmを漁船で巡る奇岩クルーズ。陸上からは見ることのできない角度から奇岩の全貌を楽しめます。予約制。詳しくは、沼島おのころクルーズへ
沼島のグルメ
沼島を訪れた際は、ぜひ地元の新鮮な海の幸も味わってください。島内の民宿や食事処で絶品の海鮮料理を楽しむことができます。
特に沼島の鱧は美味と評判で、鱧料理を食べるために沼島を訪れる人も多いです。旬の鱧料理が食べられるのは5月~9月中旬頃。予約制の処や営業時間、定休日があるので事前に調べてから行くのがおすすめです。
まとめ
上立神岩は、単なる奇岩ではなく、日本の創世神話に登場する神聖な聖地です。
古代から続く信仰と自然の造形美が融合したこの場所は、現代を生きる私たちにも深い感動と癒しを与えてくれます。
縁結びや夫婦円満を願う方はもちろん、日本の神話と歴史に触れたい方にとっても、訪れる価値のある特別な場所です。
沼島という静かな離島の波打つ海岸で風に吹かれながら、自然の神秘を眺め、古(いにしえ)の神話の世界に思いを馳せてみるのも良い体験です。
アクセスマップ
基本情報
名 称 | 上立神岩 |
所在地 | 兵庫県南あわじ市沼島 |
交通アクセス | 南あわじ市土生港から沼島汽船で沼島港まで10分 沼島港から徒歩で約30分 |