
島根県松江市八雲町桑並地区。
のどかな田園風景の奥、鎮守の森に静かに鎮座する 志多備神社(したびじんじゃ) があります。
境内には「日本一のスダジイ」と称される巨木がそびえ立ち、桑並地区では荒神様の依代として、今も大切に祀られています。
志多備神社の御祭神とご利益
御祭神
- 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
- 伊弉册尊(いざなみのみこと)
ご利益
五穀豊穣・諸業繁栄・家内安全・開運厄除・延命長寿なのどのご利益があるとされています。
志多備神社への道のりと駐車場

小さな川沿いの道を進むと、「天然記念物 スダジイ」と書かれた案内板が現れます。
その近くにある 桑並ポケットパーク は無料で利用でき、トイレも完備されています。

駐車場からは少し歩きますが、周囲には田畑が広がり、穏やかな時間が流れます。
神在月の11月には、道沿いにコスモスが咲き誇り、風の音と鳥の声だけが聞こえます。

田畑の向こう、森の入口に鳥居が見えてきます。
鳥居と石段

入口の鳥居と石段は比較的新しく整備されており、清々しい印象。ここから先は少しずつ空気が変わっていくような気がしました。
鳥居の側のスダジイ

鳥居をくぐってすぐの場所にも、ひときわ目を引く立派なスダジイが立っています。
途中で出会ったご夫婦が、
これが日本一のスダジイだと思って帰りかけてたら、もっと奥にあると教えてもらったんです。
と話されていたほど、入り口のスダジイも十分な存在感のある巨木でした。
随神門と手水鉢

随神門の手前には、苔むした石段、狛犬、注連柱が並び、境内の空気が一段と引き締まります。

随神門の天井には弁慶の奉納画が掲げられていました
手水鉢

手水鉢には湧き水が使われ、竹の自然な形を生かした柄杓がとても素朴。
この場所の静けさに溶け込んでいます。
拝殿

拝殿の奥には、出雲地方特有の大社造りの御本殿の千木が見えます。

御本殿

横から眺めると、鎮守の森に溶け込むように佇み、長い年月守られてきたことが伝わってきます。
末社

社名の記載がなく詳しいことは分かりませんでした。
日本一のスダジイ|志多備神社の御神木

境内奥に進むと、注連縄に守られた神域の中に、御神木である日本一のスダジイが姿を現します。

写真で何度も見ていたはずなのに、実物を前にすると言葉を失うほどの迫力でした。
注連縄の手前で静かに一礼し、ゆっくりとスダジイの前に歩いて行きます。
太く、複雑に分かれた幹。
空いっぱいに広がる枝葉。
ただ「大きい」というだけではなく、そこに在り続けてきた時間そのものが、そのまま目の前に立っているようでした。
しばらく何も考えず、ただ、見上げていました。
聞こえてくるのは、風に揺れる葉の音、鳥の鳴き声、小川を流れる水の音と、落葉を踏みしめる音だけ。
しばらくその場を離れがたく、立て看板に記された説明を読みながら、あらためてこの木と向き合いました。
巨木好きにはたまらない、まさに神が宿る木。
静けさの中に、確かな生命のエネルギーを感じる場所でした。
志多備神社の総荒神祭

毎年11月9日には「総荒神祭(そうこうじんまつり)」が執り行われます。
稲藁で作られた全長30〜40mもの藁蛇を御神木の幹に巻き付け、御神酒や白米を捧げて、その年の収穫への感謝と翌年の豊作を祈願する祭事です。


この地で長く続いてきた、自然と人のつながりを感じる行事です。
志多備神社へのアクセスと基本情報
基本情報
- 名称:志多備神社
- 所在地:島根県松江市八雲町西岩坂1589
- アクセス:山陰自動車道 出雲ICより県道53号線で約10分
- 駐車場:桑並ポケットパーク(無料・トイレあり)
マップ
まとめ|志多備神社とスダジイ
志多備神社は、静かに立ち止まり、自分の呼吸を取り戻すような神社でした。
田園風景の奥、鎮守の森に包まれた境内はとても穏やかで、鳥居をくぐった瞬間から、時間の流れが少しゆっくりになります。
奥に立つ日本一のスダジイは、圧倒的な存在感でありながら、不思議と威圧感はなく、ただ長い時間そこに在り続けてきたことを、静かに伝えてくれました。
観光地のような賑わいはありません。
でもだからこそ、森の音や木々の気配、足元の感覚まで、自然と意識が向いていきます。
派手さはないけれど、確かな祈りが根付いている場所。
心を整えたいとき、静かな神社、スダジイに会いたくなったときに、そっと思い出したい神社です。
🌿島根の神社巡りは、朝夕の空気がまったく違います。
無理のない行程で、静かな時間を味わえる宿を選ぶのも旅の楽しみのひとつです。
