2.神社・寺院巡り

日本三奇|高砂市・生石神社の巨大石造物 石の宝殿

生石神社 日本三奇 石の宝殿の全体像 

兵庫県高砂市にある生石神社(おうしこじんじゃ)。
その境内に鎮座する「石の宝殿」は、横約6.5m、高さ約5.6m、奥行約7.5m、重さ約500トンにもなる巨大な石造物です。

生石神社の御神体として祀られており、日本三奇のひとつとも呼ばれ、今なお多くの謎を残す、不思議な存在として知られています。

石の宝殿|浮石とも呼ばれる巨大石造物

圧倒的な存在感とサイズ感

日本三奇 生石神社 石の宝殿 見上げる構図 巨大な石造物

正面からゆっくり回り込むと、正確に削り出された形がはっきりと分かってきます。

実際に目の前に立つと、写真や映像で見る以上に、その大きさを強く感じます。

正面から見ると、手の加えられていない自然の岩のようにも見えますが、側面や背面、そして下部には、人の手によって削り取られた痕跡がはっきりと残っています。

表面の風化した様子は、長い時間そこに在り続けたことを、静かに物語っているようです。

三方を岩盤に囲まれているため、近い距離から見上げることになり、そのことが、石の宝殿をいっそう巨大に感じさせます。

石の宝殿は、なぜ「浮いて見える」のか

生石神社 日本三奇 石の宝殿の巨石の迫力が伝わる写真

石の宝殿が「浮いて見える」と言われるのは、深く彫り込まれた底部に水が溜まる窪みがあり、水面と接していない構造によるものです。
見る角度によっては、本当に浮いているように感じられることもあります。

なお、「浮石(うきいし)」という呼び名については、見た目だけが由来ではありません。

生石神社 日本三奇 石の宝殿の窪みにたまる水

「浮く」という言葉は、石工の用語で「岩にヒビや割れ目が入ること」を意味するとされています。

石の宝殿と台座の間に割れ目があることから、その状態を表す言葉として「浮石」と呼ばれるようになったともいわれています。

屋根のような突起をもつ後部

生石神社 日本三奇 石の宝殿の後ろ側から編み上げたところ

背後から見上げると、屋根のように突き出した独特の形状が目に入ります。

見上げる位置に立つと、その重さよりも、静かな圧のようなものを感じました。

境内の見どころ

南の鳥居

生石神社 石の宝殿の駐車場から南の鳥居

駐車場側からの入り口となる、生石神社の南の鳥居。

国史跡「石の宝殿」の石碑

生石神社 日本三奇 国史跡石の宝殿の石柱と石のカエル

国史跡 石の宝殿の石碑と並ぶカエルの石像

南参道の手水舎

生石神社 石宝殿 手水舎

東参道には手水舎がないため、こちらで身を清めてから参拝します。

東参道の大鳥居

生石神社 石の宝殿の鳥居から続く長い階段

JR宝殿駅から徒歩で参拝する場合、長い階段が続く参道を歩いて向かいます。
途中で道路を横断する箇所があるため、通行には注意が必要です。

絵馬殿

生石神社 石の宝殿の絵馬殿

東参道をまたぐように建てられ、奉納された絵馬が掲げられています。

生石神社詰所(社務所)

生石神社 日本三奇 石の宝殿の詰所

割拝殿のような造りをしていますが、社務所や授与所として利用されている詰所で、御朱印の受付もこちらで行われています。

生石神社のご本殿

生石神社 の本社

生石神社のご祭神は、
左:大穴牟遅命(おおあなむちのみこと)
右:少毘古那命(すくなひこなのみこと)の二神です。

大穴牟遅命は、出雲の地から遣わされた神とされ、少毘古那命とともに、国造りを進めた神として知られています。

石の宝殿の拝観

生石神社 日本三奇 石の宝殿の入り口

石宝殿を拝観する際は、ご本殿の間を通り、拝観料を納めてから先へ進みます。

  • 拝観料:大人100円/子供50円

参道の階段を上がると、絵馬殿、詰所、ご本殿を順にくぐっていく構造になっています。

この時点では、まだ石の宝殿の全体像を見ることはできません。
少しずつ奥へと進みながら、視界が開ける瞬間を待ちます。

石の宝殿の全体像と拝所

生石神社 日本三奇 石の宝殿の拝所

左右の本殿の間を進み、見上げると、ようやく石宝殿の全体像が姿を現します。

思わず足を止めてしまうほど、その存在感に圧倒されました。

石の宝殿は、生石神社の御神体として、正面から静かに拝します。

石の宝殿にまつわる伝承では、大穴牟遅命と少毘古那命の二神がこの地に石の宮殿を築こうとしたものの、完成には至らなかったと語られています。

しかし、未完成であっても、二神の霊はこの石に宿り、永劫に国土を鎮め、守り続ける存在となった――
そう伝えられてきました。

そのため、石の宝殿は、鎮の岩室(しずめのいわや)とも呼ばれています。

このことから、生石神社の石の宝殿は、国土安泰・鎮護のご利益があると信仰されています。

石の宝殿 池の中のカエルの石像

生石神社 日本三奇 石の宝殿の水中のカエルの石像

石の宝殿の足元の池の中には、二匹のカエルの石像が置かれています。

カエルは、「無事に帰る」「福を招き入れる(お客様を迎える)」という願いを込めた縁起物とされています。

向い合って並ぶ姿が、まるでキスをしているように見えることから、縁結びや夫婦円満を願う人もいるそうです。

なお、お賽銭を池に投げ入れることはできません。
池にいる鯉にとって、有害となるため注意が呼びかけられています。

また、生石神社では、南の鳥居横にある石碑のそばをはじめ、境内のさまざまな場所にカエルの石像が置かれています。

参拝の途中で、そっと探してみるのも楽しみのひとつです。

霊岩|石の宝殿の分岩

生石神社 石宝殿の分岩の霊岩

本殿の横には、石の宝殿の分岩といわれる、高さ約3mの霊岩があります。

この霊岩を全身の力を込めて押し、その手で体の弱いところを撫でると、霊岩に宿る神様より力を授かるといわれています。

生石神社の摂社群

生石神社 石の宝殿 加志磨社・恵比須社・琴平社・祖霊社

加志磨社・恵比須社・琴平社・祖霊社

石の宝殿を上から見渡す

岩盤を削って作られた石の階段

生石神社 日本三奇 石の宝殿が上から見渡せる場所へ向かう階段

石の宝殿を上から見渡せる場所へは、岩盤を削って作られた階段を上って向かいます。

自然の岩盤そのものに刻まれた段差は、整いすぎておらず、一段一段の高さや幅もまちまちです。
足元を確認しながら、ゆっくり進むのが安心です。

上から見た石の宝殿

生石神社 日本三奇 石の宝殿を上から見たところ

階段を上りきると、石の宝殿を少し高い位置から見渡せる場所に出ます。

正面や横から見るときとは違い、全体の形や、岩盤の一部であったこと、三方を囲まれている様子がよく分かります。

三方を岩に囲まれているため、石の宝殿は遠くから全体を見ることができません。
この場所は、数少ない「引いた視点」に立てる場所です。

石の宝殿の御朱印

生石神社 日本三奇 石の宝殿の御朱印

生石神社 石の宝殿の御朱印は、中央に勾玉の「生石神社」の朱印、「播磨國石寶殿」の朱印、「日本三奇」が墨書きされています。

  • 受付場所:詰所(授与所)
  • 受付時間:9:30~16:30
    ※12:00~13:00は、昼食のため不在。
  • 初穂料:300円(書置きのみ)

周辺スポット

竜山採石場

生石神社から竜山採石場を望む景色

境内や南参道から竜山採石場を望むことが出来ます。

竜山石は、1700年にわたり採石されてきた加工しやすい石材で、古墳時代の石棺にも使用されています。

竜山1号墳の石棺

駐車場近くの小高い場所にあります。

  • 築造:7世紀
  • 全長:118cm
  • 幅:60cm
  • 高さ:62cm

竜山石が、実際にどのように使われていたのかを、ここで具体的に感じることができます。

生石神社や竜山周辺は、半日〜1日かけて静かに巡るのにも向いています。
高砂・加古川・姫路周辺での宿泊も、ひとつの選択肢です。

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生石神社(石の宝殿)アクセスと基本情報

基本情報

  • 所在地:兵庫県高砂市阿弥陀町
  • 駐車場:あり(無料)
  • アクセス:
    ・電車:JR宝殿駅から徒歩25分
    ・車:加古川バイパス高砂北ランプから県道392号 に入り2分
  • 参拝時間の目安:20〜30分

マップ

まとめ|石の宝殿が語りかけてくるもの

生石神社の石の宝殿は、見た目の不思議さや大きさだけで語り尽くせる存在ではありません。

近くで見上げたときの圧倒的な存在感。
正面から拝したときの静けさ。
そして、少し離れた高い場所から全体を見渡したときに感じる、岩盤の一部として削り出されたその佇まい。

視点を変えるたびに、石の宝殿の印象は少しずつ変わっていきました。

同時に、山肌である岩盤を削り、掘り進めてきた昔の人々の、途方もない労力と時間を思うと、ただ「すごい」という言葉では足りないように感じます。

未完成のまま神が宿り、国土を鎮め守り続ける――
そう伝えられてきた理由も、実際にその場に立つことで、言葉より先に伝わってくるように思いました。

石の宝殿は、何かを強く願う場所というより、気持ちを静かに整え、立ち止まる時間を与えてくれる場所。

写真に写っているのは、ほんの一部分です。

その空気や静けさを、ぜひ現地で感じてほしい場所です。

🌿生石神社を参拝した後に、次に巡りたい鹿嶋神社の周辺神社をまとめています

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