この日の予定は、大阪でカットとカラーをすることだけでした。
それが終わったら、地元の友人を誘ってランチでもしようか。
....でも、平日に急なお誘いはきっと難しい。
そんなことを考えているうちに、ふと思い浮かんだのが、「そうだ、三輪さんに行こう」という考えでした。
こうして思いつきのまま、「三輪さん」こと大神神社(おおみわじんじゃ)へ、ぶらりと参拝に出かけることになりました。
ふと思い立って、ぶらり三輪さんへ
ヘアスタイルを整えて、新年を迎えたいと思い、約4年ぶりに、かつて通っていた大阪のヘアサロンを訪れました。
カットとカラーが終わったのは12時40分頃。
「さて、これからどうしよう」
そう思った瞬間、頭の中をよぎったのが、三輪さんのことでした。
気になるということは、きっと行ったほうがいい。
そう思った時には、もう「行こう」と決めていました。
電車に間に合わず、大神神社まで歩く
近鉄電車の急行に乗り、13時34分に桜井駅へ到着。
JR万葉まほろば線に乗り換えようと改札を抜けると、電車は発車した後でした。
次の列車は14時40分。
約1時間待ち。
一瞬迷いましたが、そのまま待つのは時間がもったいない。
駅員さんにお願いして、suicaの取り消しをしてもらい、改札を出ました。

🔖大神神社参拝のスタート地点。奈良・近鉄桜井駅
山の辺の道を歩くことに
駅前の観光案内所で、「大神神社に行きたい」と伝えると、電車以外にバスや徒歩のルートがあることを教えてもらいました。
街中を通る最短ルートと、三輪から奈良へと続く「山の辺の道」を歩く周遊ルート。
距離はおよそ3km。
街中の方が少し距離が身近いけれど、迷わず山の辺の道ルートを選びました。
街中を通る方が少し近道ではありましたが、迷うことなく、山の辺の道を歩くルートを選びました。
電車に間に合わなかったからこそ、歩くことになった古道。
そう思うと、不思議と気持ちが軽くなり、少しワクワクしながら、山の辺の道へと足を向けました。

🔖三輪山の全体が静かに遠くにみえてきました。電車に乗ったころには曇っていた空がすっかり青空に。


🔖長く使われてきた道しるべと、足元でわかりやすい道路埋め込み型の標識。迷わずに行けます。

🔖木漏れ日が揺れる山の辺の道。冬の柔らかな日差しの中を歩いて行きます。
山の辺の道で、思いがけず立ち止まった場所

山の辺の道を歩いている途中、通りかかったお寺のお堂で、日向ぼっこをする猫に出会いました。
片目をうっすら開けて、そっとこちらを伺うだけ。
逃げる様子もなく、静かな時間が流れていました。
こんな小さな出会いも、歩いてきたからこそ、巡り合えたのかもしれません。
師走を感じた大神神社の境内
大神神社は三輪山そのものを御神体とする神社です。
その在り方にも惹かれ、折に触れて参拝をしています。
とくに、自分の暮らしや気持ちに何か変化の兆しを感じるとき、なぜか自然と足が向いてしまう場所でもあります
この日も、三輪山の深い懐に抱かれるような気持ちで、静かに手を合わせました。
境内では、師走ならではの光景も広がっていました。
すす払いをする神社の方々、注連縄の架け替え、お正月の初詣に向けて準備される特設の授与所。
あわただしさの中にも、年の瀬を迎える前の、張り詰めた静けさが感じられました。

🔖ご本殿前右手には、来年の干支である馬の巨大絵馬が掲げられていた。

🔖師走の大神神社。丁寧に清掃やすす払いをする神社の方々。

🔖手水舎の竹も、新しい年を迎える準備で、新しい青竹に替えられていた。

🔖二の鳥居には、すでに新年を迎える門松が飾られていた。
大神神社に来た巳年のご縁
この日は、思いつきで来たため、御朱印帳を持っていませんでした。
書置きをお願いすると、御朱印所の方がふと顔を上げて「どちらからお越しですか?」と声をかけてくださいました。
「兵庫に住んでいるのですが、大阪でカットをして、そのまま思い立って来ました。」そう答えると、少し微笑んで、こんな言葉が返ってきました。
「急に思い立って来られたということは、呼ばれたんですね。巳年にちゃんと間に合いましたね。」
その一言で、はっとしました。
ここ大神神社の御祭神である大物主大神は、蛇の姿をして現れることから、巳様として崇められているのです。
巳年に参拝することは、良いご縁とされていることを思い出しました。
新しい年に向けて、よいご縁を結ばせていただくために、今日ここへ呼んでいただいたのかもしれません。

🔖大物主大神の化身の白蛇が棲むとされる巳の神杉。蛇の好物の卵が参拝者によってお供えされている。

🔖引いたおみくじは「吉」。「情をもって接することが大切」とあり、その言葉を心に留め、そっと結んでおきました。

🔖御朱印所の方に教えてもらった、参集殿のなでうさぎ。なでると「願いをかなえてくれる」といわれている。

🔖この日いただいた、大神神社の御朱印
この日は御朱印帳を持っていなかったため、書置きでいただきました。
御朱印帳に貼らずに、書置き専用の御朱印ホルダーに入れて保管しています。
※リンク先は楽天市場です
狭井神社へ御神水をいただきに
大神神社を参拝した後、狭井神社にも足を運びました。
拝殿の脇には、万病に効くという薬水「御神水」が湧き出る井戸と伝えられる薬井戸があります。
備え付けられているコップに注いで口に含むと、ひんやりと冷たく、体の奥まで静かに染み渡っていくように感じられました。

🔖狭井神社本殿と、新年に向けて注連縄を取り換えている神社の方々。

🔖万病に効くといわれている、御神水が湧出る薬井戸。

🔖この日いただいた、狭井神社の御朱印
参拝のあとに、遅めのお昼ごはん
参拝を終えた頃には、気づけばもう午後3時半を過ぎていて、お腹はすっかりぺこぺこ。
二の鳥居の近くにある「そうめん処 森正」に、閉店間際に滑り込みました。
三輪といえば素麺。
釜揚げ太そうめんと柿の葉寿司のセットを迷わず注文します。
店内は、旧家の庭先に設けられた空間で、屋根の付いた井戸や薪ストーブがあり、どこか懐かしく落ち着く空間でした。
久しぶりに味わった柿の葉寿司は、懐かしくて、優しい味がしました。
森正は午後4時閉店。
食事を終える頃には、店内にも少しずつ片づけの気配が漂いはじめていました。
お店の方が片づけをしながら、「きぜわしくしてごめんね」と声をかけてくれました。
そのひと言に、ふっと心がほころびます。
帰りは、正面ではなく、右手にある木戸から外へ。
夕方の空気がすっと入り込み、この日の「ぶらり旅」が静かに終わっていく感じがしました。

🔖そうめん処森正で注文した釜揚げそうめんと柿の葉寿司。あったかくて、おいしかった。


🔖奈良の名物「柿の葉寿司」と、つゆに入れる薬味のすりごま。

🔖そうめん処森正は午後4時閉店。開いていた門が閉じられ、右手の木戸から外に出ました。
夕暮れの大鳥居
森正を出て、参道を戻るころには、空が少しずつ夕色に染まりはじめていました。
振り返ると夕日に照らされた三輪山があり、静かに影を落とした大鳥居が、今日一日の出来事をそっと包み込むように立っていました。
ふと思いついて訪れた大神神社。
電車に舞合わず、山の辺の道を歩き、予定外の時間を重ねてきたからこそ、この夕暮れの景色に、自然と足が止まったのかもしれません。

帰路につきながら思ったこと
帰りの電車に揺られながら、今日一日をゆっくり思い返していました。
電車に間に合わなかったことも、遠回りになった山の辺の道も、師走の神社で見たすす払いの光景も、すべてが、今の自分に必要な時間だったように感じます。
新年に向けて、よいご縁を結ばせていただくために、今日ここへ呼んでいただいたのかもしれません。
気まぐれに動いた一日でしたが、心の奥では、ちゃんと行く先が決まっていた——
そんな旅でした。
この日訪れた場所|大神神社
- 名称:大神神社(おおみわじんじゃ)
- 所在地:奈良県桜井市三輪1422
- 参拝時間:常時参拝可能
- アクセス:
・JR万葉まほろば線「三輪駅」から徒歩約5分
・近鉄「桜井駅」から、山の辺の道を歩いて約3km(約40〜50分)
今回のように、思いつきで出かける小さな旅には、予期せぬ出会いや、予定外の楽しさがあります。
一方で、「時間があれば、長谷寺や明日香村にも行ってみたかったな」そんな余韻が残るのも、また旅の楽しみかもしれません。
今回は日帰りでしたが、次は三輪・桜井周辺に泊まって、朝の空気も味わってみたいと思いました。
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